貝塚原末株式会社|超臨界抽出エキスの製造受託・超圧縮抽出エキスの製造受託・その他機能性食品・化粧品原料の研究開発からOEMまでサポートします。 

超高圧抽出について


超高圧抽出とは、超高圧加工処理装置を用いて抽出を行う技術のこと。100MPa(メガパスカル)という高圧条件に設定が可能で、その圧力は水深10000mに相当します(マリアナ海溝の海底の圧力とほぼ同じ)。
その様な高圧条件下では様々なことが起こります。
●細菌の働きを抑制
●抽出効率の上昇
●熟成作用の促進
●水の構造変化 等々

超高圧加工処理装置を用いた抽出方法の概要は次の通りです。
①試料をパウチに投入して空気を抜いて密閉状態とする
②装置にセットすると、パウチの周りに水が充填され、静水圧により加圧状態となる
③温度や圧力、時間をコントロールすることで抽出条件が決定される
④固液分離・濾過・粉末化等、必要な工程を経て目的とする抽出物を得る

超高圧抽出装置



超高圧抽出のメリットを最大に引き出すためには

【事例①】
生体試料の酵素分解を伴う抽出について
イワシ等のやわらかい魚等は、生の状態では、特に分解酵素を添加する必要性もなく高圧処理をすることで、ピューレ状になります(自己溶解酵素が働きます)。この反応の過程では、他の菌類の働きが抑制されているために、腐敗が同時並行で起こらないのが最大の特徴。つまり、鮮度が保たれた状態で溶解するということですから、嫌な臭いや味の変化はありません。また、熟成作用は促進されますので、逆にうま味が増すこともあります。

また、シジミや牡蠣、プラセンタといった機能性食品素材等は、それぞれに適した条件の酵素を添加することで、効率よく分解抽出することが可能です。味や臭いに悪影響を及ぼさないので、機能性食品や化粧品原料への応用が期待されます。

【事例②】
香りの保持を目的とした抽出
超高圧抽出ではパウチを用いた密封系で抽出を行うため、香りを保持したエキスの作成が期待されます。
例えば、コーヒー豆をアルコールで抽出する場合、通常の抽出方法では香り成分が気散する可能性がありますが、超高圧抽出では密封系の抽出のため、比較的香気成分が多く保持されることが考えられます。固液分離したアルコール抽出物を、サプリメント製造工程の最終造粒工程等で低温下スプレー処理することによって、製品のフレーバーの改善等への応用が可能です。

【事例③】
低極性物質の抽出効率アップ
低極性物質だけではないのですが、抽出効率の改善が期待されます。
例えば、プロポリスのような樹脂系の物質にフラボノイド等の低極性有効成分が多く含有している場合、通常のアルコール抽出だけでは、時間がかかったり収率がのびなかったりすることがあります。しかし、超高圧条件下でアルコール抽出を行うと、溶媒使用量を減少させたり、抽出時間の削減等、条件次第では抽出効率を大きく改善することも可能です。使用溶媒量、時間、エキスの歩留まりはコストに大きく影響しますので、抽出の合理化が期待されます。

㈱東洋高圧、㈱超臨界技術研究所提供資料より